キッズスマイル江東東砂 (職員数24名 / 定員数58名 /東京都江東区)
施設種別 認可保育園
サービス 保育研修
成果 先生の離職率削減保護者からの評判UP保育・教育の質向上先生間のコミュニケーション改善
この事例の要約
いままでの研修は、研修の内容を職員会議で全体に伝える形をとっていました。本当でしたら、研修内容を共有する際に、園として大切にしたい保育観や、園長としての考えも職員に伝えたく思っていたのですがなかなかうまくいかず……。伝え方に課題を感じていました。
そうしたなか、園でコドモンのICTシステムを導入することになりました。法人本部の担当者から「コドモンにはICT以外にもいろいろな機能がある」と聞き、さわっていたところコドモンカレッジ(保育研修)を見つけました。
まず最初に、大豆生田先生やコドモン代表の小池さんが登壇されていた「保育者の持続可能な学びの機会創出に向けて」という研修動画を見ました。それを見て、こんなふうに研修で専門家や著名な講師の方々の話を聞ける機会はなかなかないなと思い、個人的に動画を見始めるようになりました。
無料で視聴でき、研修1本あたりが30分~1時間程度の長さなのがよいと思いました。一本の動画を繰り返し見る中で、自分の中の理解が深まることにもおもしろさを感じています。
2025年度からは法人全園でコドモンカレッジを活用した職員研修を実施することが決定し、全園が同じ動画を見て研修を行っています。
全体的な運用方針は法人本部が決めています。全園で利用を開始する前には、コドモンカレッジの使い方、受講する研修のスケジュール、報告書の提出方法などがまとまった資料が本部より配布されました。
研修動画の受講回数について、全社的には、保育士などの職員は年3回、主任・副主任は年4回、園長は年4回の視聴が推奨されています。それに加えて、当園では、私がどうしても職員に見てほしい研修を1~2回分追加しました。追加したのは、「発達支援」と「乳児と幼児の引き継ぎ」に関する研修です。発達支援については、なるべく早い時期に視聴してもらうようにしています。引き継ぎについては、年度末の1月に研修動画を職員に見てもらって、2~3月の引き継ぎにつなげていけるようにと独自に入れました。
一番大きかったのは、法人から研修受講について発信をしてもらえたことで、研修の時間は勤務時間であり、みんなが等しく受ける必要があるいう園内の共通認識ができたことです。
法人の決定後は、保育人員に余裕がある時間帯に、まだ研修の受講や報告を終えていない職員が、「いまから1時間くらい保育を抜けて、研修を受講しようと思うのですが」と主任に提案するといったことが増えました。そういったことを繰り返していくうちに、研修は勤務時間内に受講する・上長もそれを後押しするという風土ができました。今では、私から研修を受けるように言わなくても、職員が自ら受けてくれています。
それまでは研修の時間を勤務の扱いにしていいのか、それとも自己研磨の一環としてプライベートの時間を削らないといけないのかなど、あやふやな部分も多かったのが正直なところでした。そういった状態ですと、私からも指示を出しにくく、職員も受講しづらいですよね。職員の中には、研修をたくさん受けたい人もいれば、最低限でいいという人もいます。法人が方針を示してくれたことで、職員が自分の状況に応じた選択ができるようになったと感じています。
コドモンカレッジを受講するなかで、「保育士は保育をしたり、保育の計画をするだけが仕事じゃない。自分を高めるために勉強することも仕事なんだ」ということが、職員の中で意識づけられたと感じています。
また、他園や今求められている保育に対しても目線が広がりました。コドモンカレッジは全国の園で使われているサービスなので、「他園でもこの動画を見て保育しているんだ」という気づきもありました。感覚や経験だけで仕事をする時代は終わり、これからは今の時代にあった保育を学ぶ必要があるのだという、これまではなかった考え方が職員の間で生まれたのは、法人本部やコドモンカレッジのおかげだと感じています。
職員とのコミュニケーションにも変化がありました。研修動画から、伝えたいことが重なる部分をピックアップして共有し「園としてもこのあたりは大切にしたい」と話すことで、以前よりも具体的に思いを伝えられるようになりました。
そうですね。以前、東京には保育園が急激に増えた時代がありました。保育士が生活しやすくなるよう補助金も増えたことで、他県からいろいろな学びや経験を持った人が集まってきたんです。
そのときからずっと私は、多様な保育観や価値観を持った職員がひとつの園に集まって働くうえで、どうしたら同じ方向を見て保育していけるのかということに、すごく難しさを感じていました。それぞれの思いはあってもいいけれど、どういう保育を目指すのか共通の認識を持って、目標に向かって歩んでいくための自分なりの道をつくるためには、どうしたらいいのか。コドモンカレッジのような研修があることで、職員一人ひとりが道をつくるサポートをしやすくなった感覚があります。
キャリアアップ研修もいいのですが、キャリアアップ研修って対面だと2日間、オンラインでも12時間のeラーニングと3時間のリアルタイム研修を受けなければならないので、すごく長くてどうしても内容を忘れてしまうんですよね。実際にキャリアアップ研修で学んだことをやろうと思っても、思い出せないということもありました。やはり、コドモンカレッジのように30分から1時間くらいの内容を空き時間ににスッと頭に入れて、次の瞬間にはパッと行動にうつせるくらいスピード感があったほうが、職員たちも学んだ知識を温度感が高いまま保育に活かすことができているようです。
特に年度末の引き継ぎに関しては、学びが大きかったです。以前は、引き継ぎというと、気をつけることや課題などが多く、トラブルを防ぐために、しなくてはいけないことという意識がありました。でも、研修を視聴し、引き継ぐのは後ろ向きな情報ばかりではないということに気づきました。それから、研修をどうしていこうか職員間でも話すようになりました。
保育中、研修で学んだことを活かしている場面に立ち会うことも増えてきました。職員間で「あの先生のこの一言が胸に刺さった」という会話があり、共感しあっていたり。提出された計画書に、研修で講師の方が言っていたことが活きていたり。もちろんまだ自分のものにできていない部分はあるけれども、まずは形からでもやってみようと前向きに取り組む職員たちの姿を見ることが増えてきたので、そこは本当に変わってきたなと思います。
そうなんです。また、コドモンカレッジの内容には、保護者の方にも知っておいてほしいと感じることがすごくたくさんあるんです。保護者の方は直接コドモンカレッジを見ることができないので、研修で講師の方々がお話しされている内容や資料を一部引用して、園だよりに掲載させていただいています。コドモンカレッジは、誰が読んでもわかりやすく資料をつくってくれているので、保護者の方も園だよりからすごく学んでいただいて、「家でも見ています」や「以前、保育士の方がおっしゃっていたのは、こういうことだったんですね」と言ってくださいます。保育士も保護者も、同じ研修を土台とした知識を持つことで、園が目指している保育観を職員だけでなく保護者とも共有できるようになりました。コドモンカレッジを始めたことで、これまで以上に園と保護者が一緒に子どもを育てていくことができていると感じます。