保育現場のICT化が進むなか、AIの活用も徐々に広がり始めています。
今回は、「こどもストーリー」開発を担当する株式会社ベネッセスタイルケアグループの鈴木さまと 監修の大豆生田啓友先生からのメッセージをお届けします。
プロジェクトの背景から、現場の保育者の先生との実証研究の事例、そして実際の「こどもストーリー」への期待など、これからの「保育AI」への想いを話してもらいました。
「日誌」「連絡帳」「計画」に加えて、その日の保育活動をまとめた保護者向けの掲示物の作成…。これらの書類作成業務を一元化し、業務負荷軽減を実現したのが、コドモンの保育ICTサービス「保育ドキュメンテーション」です。
しかし、調査の結果、ICT化だけでは解消しきれない業務が、いまだに先生たちの大きな負担となっていることが見えてきました。
それは、児童票や要録といった「一定期間の個人の振り返り業務」。先生たちは、子どもたちの日々の様子を記録している日誌や、教育・保育活動の目的や流れを具体的に計画した指導案をもとに、定期的に児童票や年次の要録を作成する必要があります。しかし、これらの業務には、過去の記録を振り返り再構成する手間が伴い、児童一人あたりに1時間以上かかることもあり、この負担が保育者にとって大きな課題となっていました。
一方で、「振り返り」は、子どもたちの育ちに寄り添う重要な業務です。もっと先生たちの作業負担を軽減し、「振り返り」を支援することはできないか、という想いからプロジェクトは始まりました。
鈴木さま:「こどもストーリー」で特に意識したポイントは、ただ単に保育業務の一部をAIで自動化するのではなく、「保育の質を高めるためのAI活用」という点です。AIによって振り返りの作業面は省力化しながらも、先生たちの思考や専門性は大切にする、そのような機能の在り方を、監修の大豆生田先生や多くの園の先生方にご意見を伺いながら検討を重ねてきました。
鈴木さま:その結果、子どもたちの学びや成長がつまった記録である「保育ドキュメンテーション」を基に、振り返りの”作業”を支援する「こどもストーリー」が誕生しました!
「もっと丁寧に、一人ひとりのこどもと向き合いたい」
「一人ひとりのこどもの育ちをもっと深く見ていきたい」
そんな先生たちの想いをサポートする機能として、ご活用いただきたいと考えています。
保育というのは、日々、子どもといかに向き合うかということです。
先生たちは、子どもたちの気持ちや好きなことなど、その子の“今の姿”を点で捉えることも多いですが、実は、“今日の姿”は、これまでのいろいろな育ちとつながっています。しかし、子ども一人ひとりの変化や、育ちの経緯を見ることは難しく、記録を過去からたどり、今日の興味とつなげることで、その子の今の姿や、その子が伸びていこうとしている方向性について、より深く理解することにつながります。
保育を点ではなく、線でつなげて見ていくことで、子どもたちの育ちの物語が見えてきます。まさに「こどもストーリー」と言っていいかもしれません。今回のAIの活用により、先生たちでは気づかないようなことまで要録や個人記録にまとめることができるため、さらに一人ひとりの深い理解へとつながっていくと考えています。
・開催日時:2025年8月1日(金)13:00~14:30
(再配信)2025年8月5日(火)13:00~14:30
・費用:無料
・参加方法:Zoom(オンライン)
・プログラム概要:
時間 | 内容 | 話者 |
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第一部 | 質の高い保育記録ってなんだろう?~大豆生田先生のポイント解説~ | 大豆生田先生 |
第二部 | 保育者の振り返りをサポートする「こどもストーリー」とは?~実証研究から見えた業務削減と質の向上につながる成果~ | 大豆生田先生/ベネッセ井上さま |
第三部 | 「こどもストーリーおためし版」利用申し込み開始のご案内 | ベネッセ井上さま |
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