〈午睡業務についてのアンケート〉午睡センサーのみでチェックする施設は1.2%  多くが目視のみ(68.2%)、次いでセンサーと目視・触診の併用が15.7%

調査レポート 保育

株式会社コドモンは、保育・教育施設向けICTサービス「コドモン」を利用中の全国の保育施設等を対象に、午睡業務についてのアンケートを実施しましたので、調査結果をお知らせいたします。

アンケート概要

・調査対象:コドモンを利用する全国の保育施設
・調査方法:メール案内、WEB回答方式
・調査期間:2025年7月15日(火) 〜8月5日(火)
・回答数:337件
・調査会社:株式会社コドモン

アンケート結果サマリー

・午睡チェックは「目視のみ」で行う施設が68.2%と多数を占めた。
・午睡センサーを導入している施設は17.2%であるが、センサー単体で午睡チェックをする施設は1.2%にとどまる結果に。目視や触診との並行利用が一般的であることが明らかになった。
・ICT導入済みの施設では安全管理や業務負担軽減を評価する声が多い一方で、コストや運用面の課題から導入を見送る施設も多い。
・午睡中の安全確認では「チェック頻度が高く負荷が大きい」「他業務との両立が難しい」という声が3割を超えた。
・午睡業務は、全面的なICTへの置き換えが難しい実態が見えてきた。

アンケート結果

年齢や個別の状況に応じた対応が主流

Q1 貴施設での午睡の実施方法について、当てはまるものをお選びください(複数選択可)

「年齢やクラスごとに異なる午睡時間を設けている」(36.9%)が最多で、「子どもの様子に応じて個別に調整」(29.7%)が続きました。「保護者の希望で午睡の対応を調整」(22.0%)も一定数見られ、画一的な時間設定ではなく、柔軟に対応する施設が多い傾向です。

午睡チェックは「目視」が中心。午睡センサーのみでの確認は1.2%にとどまる

Q2-1 午睡のチェック方法について、当てはまるものをお選びください(複数選択可)

午睡中の安全確認は「目視」がもっとも多く68.2%。次いで、目視とセンサーを併用する施設が15.7%、目視と手で触れたり息を確認する触診を併用する施設が10.1%という結果になりました。午睡センサーのみでチェックしている施設は1.2%にとどまりました。人の目や手によるチェックが重要視されていることがうかがえます。

午睡記録はICTシステムが半数超、手書きとの併用も依然として多い

Q2-2 午睡の記録方法について、当てはまるものをお選びください(複数選択可)

「ICTシステムに手動で記録」(52.3%)が最多でICT活用が進む一方、「手書きで記録」(30.3%)、「紙と機器の併用」(9.0%)も一定数見られ、完全にデジタル化している園は少数派であることがわかります。

午睡センサー導入は17.2%、3分の2は「導入予定なし」

Q3 午睡チェックセンサー等の導入状況について教えてください

「導入予定なし」(66.8%)が3分の2を占める結果に。「すでに導入している」は17.2%、「検討中」は16.0%にとどまりました。午睡センサーの導入はまだ限定的で、施設間で対応に差がある状況です。

午睡センサー導入の目的は「安全強化」が最多

<午睡センサーを「すでに導入している」と答えた施設に質問です>

Q3-1 午睡センサーを導入した理由を教えてください(複数選択可)

「午睡時の事故防止・安全管理を強化したかった」(47.6%)が約半数を占め、「午睡業務の負担軽減」(23.8%)、「補助金の対象だった」(19.0%)と続きました。安全面への期待が大きな導入動機となっています。

導入センサーのタイプはセンサー型が最多、マット・着衣型も一定数あり

Q3-2 現在ご利用中の午睡センサーのタイプを教えてください

タイプの内訳は「センサー型」(43.1%)が最多で、「マット型」(29.3%)、「ウェアラブル(着衣)型」(20.7%)、「AIカメラ型」(6.9%)が続きました。

センサー導入済施設では「安全管理の強化」「負担減」の効果を実感

Q3-3 実際活用して効果を感じている点を教えてください(複数回答可)

「子どもたちの安全管理が強化された」(44.8%)が最多で、「記録業務の負担が軽減された」(20.7%)、「午睡の記録・管理が楽になった」(12.1%)が続きます。
午睡センサーの導入が業務の省力化につながっていることがわかりました。

センサーの安全面では「不安なし」が3割。一方で故障・誤検知への不安を抱える施設も

Q3-4 午睡センサーの「安全性」に関して課題や不安を感じたことはありますか?(複数選択可)

「特に不安はない」が29.6%と最多ながら、残りの約7割の施設は不安を抱えているという結果に。具体的には「故障や反応遅れ」(26.8%)、「誤検知や検知漏れ」(26.8%)、「センサーや電池の誤飲」(12.7%)など、センサーの精度や形状に対する懸念が目立ちます。

電池交換・維持費・設置作業などが負担に

Q3-5 午睡センサーの「運用面」で負担・手間に感じることはありますか?(複数選択可)

「特に負担を感じていない」は20.9%にとどまり、残り8割はなんらかの負担を感じていることがわかりました。「電池交換・充電」(18.7%)、「更新利用料や維持費」(18.7%)、「機器の設置・取り外し」(15.4%)が上位に挙げられました。

センサー未導入の理由は「コスト」が最多

Q3-6  午睡センサーを導入していない理由を教えてください(複数選択可)

「コスト」(32.5%)が最多で、「現状の運用で十分」(22.4%)、「センサー精度や誤検知への不安」(19.4%)が続きました。
また「その他」(9.3%)では、「試用してみたが少しの動きで検知しブザーがなるので使いづらかった」「監査で呼吸、顔色等のチェックができないと不備となると指摘されたため」といった声もありました。

午睡チェックの頻度や他の業務との両立に課題感

Q4 午睡中の安全確認について、現場で課題に感じていることを教えてください(複数選択可)

「午睡チェックの頻度の負荷が高い」(31.2%)、「午睡時間の他業務との両立が難しい」(30.7%)が上位に挙がりました。「職員数の確保」(26.7%)も課題とされており、午睡関連業務について現場の負担軽減が求められています。

現場の困りごとは記録仕様・人員・頻度負担が中心

Q5 午睡チェックの運用で困っていることや改善したいことがあればご記入ください(自由記述)

・「5分間隔なので午睡チェックをしながらノートの入力などできないので、午睡チェックは当番制でその業務だけを行う様にしている」
・「ICTシステムと連動させたいが、連動できないものもあり、全てに対応できると助かる」
・「行政より、午睡チェック表に天気・気温。湿度・体位の交換等記入しなくてはいけない内容を多く言われている。それに対応している機能を持つセンサーがない。そのため紙との併用をおこなっている」
・「センサー等を活用して省力化したいが、コスト面が高く導入が難しい」
・「職員のお休みや休憩中など、チェックに手が回らないことがある」
・「目視は必須だが、自動入力されたものを確認しながら目視だと随分業務の軽減になる」
この設問では、室温・湿度・症状などの記録欄不足や監査要件とICTの仕様の乖離、午睡センサーと記録機能の連携要望が多く、5分ごとの高頻度チェックによる負担、人員不足や休憩回しの難しさ、コストに対する懸念も目立ちました。また、「目視は必須だが自動入力との併用で軽減したい」という回答も複数ありました。

午睡判断は子どもの様子に応じた個別対応が最多

Q6 園児ごとの午睡の必要性について、どのような基準で判断していますか?(複数選択可)

午睡の必要性は「子どもの様子や体調を見て個別に判断」(41.7%)が最多で、「年齢や月齢で一律に決定」(29.2%)、「保護者の希望を考慮」(15.0%)と続きます。一人ひとりへの柔軟な対応が中心でありながらも、園ごとの方針や保護者の希望も考慮している施設があることがうかがえます。

午睡の必要性判断は保護者・職員の意識差が課題に

Q6-1 午睡の必要性の判断にあたって、現場で課題に感じていることはありますか?(複数選択可)

「特に課題は感じていない」は40.9%ですが、「保護者との認識のすり合わせが難しい」(26.5%)が次点で、「職員ごとの判断差」(15.9%)、「園内で基準統一が難しい」(12.6%)と続きます。午睡の必要性をめぐる園と保護者、職員間での意識の違いが現場の課題となっています。

午睡業務の課題は、人員・環境・個別対応の制約

Q7  午睡業務全体について、現場で感じている課題やご要望があればご自由にご記入ください(自由記述)
・「0歳児の五分置き(の午睡チェック)が負担」
・「10分ごとの確認とその合間にもうつぶせになってしまう児がいると、常にチェックして直している状態が続いている負担は大きい」
・「できれば一律ではなく個別に対応したいが、スペースと人手の問題で難しい」
・「午睡時間に、それだけを担う職員が各クラス1名ずつ+フリー1名いたら嬉しい」
・「一人一人見回りたいが、入眠時刻にズレが生じ、乳児は抱っこや背中をとんとんするなど保育者が子どもから離れられず、全員が寝入るまで5分間隔でのチェックがおろそかになる」
・「午睡中に日々の連絡帳や日誌、その他保育書類、製作準備、順番に休憩(昼食時間含む)を取るなどしながら午睡チェックも行っています。眠れない子や早く起きてしまう子もいるので、起きてしまった子を見る保育者も必要」
・「目視だけではなく、午睡チェックが機器からでき、Wチェックができるとよい。ただ、コストが高い」
午睡業務全体での課題は、5分・10分等の高頻度チェック、眠れない子への個別対応、休憩・書類作成と重なる時間編成、スペース不足や環境整備の負担、人員配置の難しさなど、人的・物理的制約が複合的に表れています。ダブルチェック(目視+機器)への期待とコストの壁も見受けられました。

データの引用について

本調査結果データを一部引用・二次利用等される場合は、「株式会社コドモン調べ」と表記の上、リンクのご協力をお願いいたします。
リンク先:https://www.codmon.com/column/report_15/
その他ご不明点や調査に関する詳細は、下記よりお問い合わせください。

コドモンの午睡センサー

ICT「コドモン」では3種類の午睡センサーと連動して記録をすることができます。ご興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。

詳細ページ

株式会社コドモン 会社概要

◆所在地:東京都品川区西五反田八丁目4番13号 五反田JPビルディング10階
◆資本金:68,250,000円
◆代表者:代表取締役 小池義則
◆WEB:https://www.codmon.co.jp/
◆事業内容:子どもを取り巻く環境をより良くするための事業を手掛け、働く人にとっても働きやすい組織づくりを体現。子育てに優しい社会に変わるよう多角的に環境整備を行い、社会に貢献する。
◎こども施設職員の労働環境を整え、保育・教育の質向上を支える子育てインフラとしての保育ICTシステム「コドモン」の開発・提供。2025年8月時点で、全国22,862施設、職員約44万人が利用。全国682の自治体で導入および実証実験の導入が決定。導入施設数・自治体導入施設数・契約自治体数でシェア1位※(2025年1月株式会社東京商工リサーチ調べ)。
◎保活中の保護者や求職者と保育・教育施設をつなげる採用・園児募集支援サービス「ホイシル(https://www.hoicil.com/ )」の提供。こども施設が簡単に施設の魅力を発信でき、地域の保護者や求職者、保育学生はより自分にあった園を探せる。その他、こども施設を対象とした専門のECサイト「コドモンストア(https://store.codmon.com/ )」、現場で働く保育者の資質や専門性向上を目的としたオンライン研修サービス「コドモンカレッジ(https://college.codmon.com/ )」、こども施設職員への福利厚生サービス「せんせいプライム(https://senseiprime.com/ )」などを展開。

お問い合わせ先

本件に関するお問い合わせは、下記までお願い申し上げます。
Mail: inquiry@codmon.com
Tel: 050-2018-3196(平日9:00-18:00)
※株式会社コドモン以外の販売元と契約されている施設は販売元までお問い合わせください。

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