富山県南砺市総合政策部こども課子育て応援係 (富山県南砺市)
施設種別 自治体・公立施設
成果 事務の省力化先生の残業削減手書き業務の削減電話対応業務の削減
この事例の要約
令和7年にコドモンを導入した富山県南砺市の放課後児童クラブ11施設。膨大な事務作業の負担が大きく軽減されたことで子どもと向き合う時間の創出につながっているそうです。導入にたずさわった南砺市 総合政策部 こども課 子育て応援係 主幹・子育て応援係長 道宗さまと、市内で放課後児童クラブを運営されている株式会社技研サービス 渡邊さまに導入の経緯と現在の活用についてお話をうかがいました。
道宗さま:ひとつは、11ある放課後児童クラブの運営方針を統一する必要を感じていたためです。南砺市では平成27年頃から児童館の運営を民間委託とし、放課後児童クラブは市が直営するという形を取っていました。市が運営するなかで、それぞれのクラブで業務のやり方が違っている部分が多く、統一化の必要を感じました。もうひとつは、クラブの職員の高齢化が進んでいるためです。新しい職員を募集するにあたって、アナログな業務が多いと、新しく入る若い人が抵抗を持つのではないかという課題があったからです。
道宗さま:そうですね。市とクラブの間でのメールやWord、Excelを使った情報の共有においても、しばしばヒューマンエラーが発生していました。その他にも、個人情報を取り扱う上で、セキュリティを高めていきたいという思いがあり、導入を決めました。
道宗さま:すでに市内の公立保育園でコドモンを導入しており、保護者の満足度が非常に高かったことが大きな理由です。 それに保育園はコドモン、放課後児童クラブは他社システムとなると、保護者にとっては都度アプリをインストールして操作を覚える手間が増えてしまいます。ひとつのアプリで保育園・放課後児童クラブどちらも使えるようにして、保護者の負担をできるだけ解消することがサービスの向上につながると考えました。

道宗さま:まず、コドモンを入れることでどの程度業務が変わるのか。そして、それによって職員の方々が負担を感じるのか、それとも前向きにとらえてもらえるかが読みきれないところが一番大きな課題でした。そこで導入前後で、クラブの職員に、どんな業務に時間がかかって負担を感じているのか、聞き取り調査を実施しました。
渡邊さま:放課後児童クラブはITツールに不慣れな年配の職員も多いため、コドモンを使いこなせるかという不安は現場にもありました。最初はみなさんパソコンでExcelを使って作業しなければいけないといったイメージを持っていて、心配の声もあったのですが、南砺市さんが研修などで丁寧にお話ししてくださったおかげで、不安を取り除いたうえで導入に進むことができました。
道宗さま:導入時にコドモンの担当者に説明会を実施していただき、クラブ職員から聞き取った業務の困りごとに対して、コドモンを導入したらどのような解消ができるのか、現場に即したデモンストレーションをしていただいたことが大きかったと思います。自分たちの課題に対して「こういうアプローチでどうでしょう」とご提案いただきました。
道宗さま:そうですね。また、コドモンにあるすべての機能をすぐに使い始めるのはやめて、1か月ごとに機能を追加していく段階的な導入を行ったことも、現場の不安解消につながったと思います。この方針も、渡邊さんを始めとする運営事業者さんやコドモンさんを交えてお話しして決めました。
渡邊さま:最初は不安を感じていた職員も、実際に導入し始めたらコドモンが非常に使いやすいので、つまずくことなく簡単に使ってもらえました。

渡邊さま:以前は出欠確認を電話や紙でとっていました。放課後児童クラブでは始まる前に、昨日の児童の様子や今日の流れなどをミーティングしているんですが、電話で途切れてしまい、集中できないという課題がありました。さらに聞き取った内容を紙で共有するため、電話を受けた職員によって情報伝達の粒度に差が出ることもあったのですが、コドモンを入れたことで保護者からの情報をそのまま受け取れるようになり、職員間で正しい情報を共有できるようになりました。
渡邊さま:はい。これまでは欠席などの電話を受けるために、出勤時間より60分から90分ほど早く来なければならない日もありました。今は事前にコドモンに欠席や出席の連絡が入っていることがわかるため、安心して出勤できます。電話対応の時間がなくなり、その時間を本来の子どもたちと向き合う時間に使うことができるようになったのはまさに大きな変化です。
また、保護者にとっても、クラブが開かないと電話がつながらなかったのですが、コドモンだと24時間連絡ができるので、負担感が減ったのではないかと思います。
この点は数字にも表れており、市が実施した保護者アンケートでは、欠席・遅刻連絡の利便性が「便利になった/やや便利になった」と答えた保護者は93.9%にのぼりました。
道宗さま:各クラブの責任者へ実施したアンケートでも、かなり効果が出ています。翌月の利用予定表を保護者に配布して回収、集計する作業にかかる時間が、11クラブ合計で1か月あたり約350分から約164分へと半減しました。急な欠席連絡に対する電話対応の時間も約350分から約182分へと約47%減少し、インフルエンザなど緊急情報のお知らせ配信にかかる時間は約80分から約9分へと9割減になっています。
道宗さま:1クラブあたりの月間削減時間は平均790分(約13時間)となりました。他にも、もともとクラブが紙で市へ提出していた児童の出席実績簿については、市のほうでコドモンから自動的にデータを抽出する仕組みにしたため、各クラブが紙の児童出席簿を作成する業務そのものがなくなりました。
それから職員の出退勤についても、コドモンの中で出退勤打刻していただけたら市役所のほうで結果を抽出して職員の充足率をチェックできる形になりました。出退勤の実績が入力されてるかどうかの施設側の確認作業は若干残ってはいますが、もともと11クラブ合計で1か月約400分かかっていたのが現在は約100分と、約75%の業務削減になりました。
道宗さま:各クラブのヒューマンエラーの確認作業がなくなりました。また、クラブを通さずに、ダイレクトに市から保護者へ働きかけることができるようになったのは大きいです。お知らせ一斉配信の機能を使い、保護者に直接アンケートのご協力をお願いするなど、保護者との距離感が近くなったと感じています。
渡邊さま:コドモンを導入して削減できた時間を、子どもたちが楽しく安心安全に過ごせる環境づくりに活用していきたいです。事前に出欠状況がわかるので、人数の多い日は職員を手厚く配置したりするなど、事故を防ぎ子どもたちに楽しく過ごしてもらえる先生の配置をよりしっかり精査していきたいと考えています。
道宗さま:ICTでできることはたくさんありますが、すべてをオンライン化するのではなく、対面で残すべき業務を見定めることも必要だと思っています。たとえば南砺市ではクラブの利用申込書だけは、保護者の方に直接持ってきていただいているんです。職員の子どもたちに対する思いを感じていただく機会はなかなかないので、申し込みの際は、直接お話しする形を残しています。フェイス・トゥ・フェイスでやるべきところと簡略化すべきところをしっかり見定めながらこれからもICT化を進めていきたいです。
道宗さま:将来的には、資格を持たない職員のスキルアップを図っていきたいと考えています。現状は集合研修が主なので参加が難しい職員も「コドモンカレッジ」のオンライン研修で学ぶことで、現場のスキルを高めていきたいです。具体的には、こども性暴力防止法(日本版DBS) に関連した情報や、こども基本法の子どもの権利に関する情報などの最新の知識を学んでいけたらと思っています。
道宗さま:やっぱり「目的はなにか」ということを見失わないようにするのが一番かなと思います。ICT化を目的にするのではなく、「クラブの業務を省力化してそこでできた時間を子どもと向き合う時間に充てる」という本来の目的を明確にすることで、現場の職員の方の理解も進んでいくのではないでしょうか。
渡邊さま:行政と運営事業者がスクラムを組み、どうしたら現場が使いやすく保護者にも喜んでもらえるか、話し合いながら進めていくことがICT化においてはすごく重要だと感じました。それに加えて、コドモンさんが私たちの希望に対してすぐに提案してくださったのも大きかったです。行政・運営事業者・ICTシステム事業者、3つの歯車がうまくはまったのが今回の成功要因だったと感じています。