重症児デイ Patto Potto (職員数39名 / 定員数30名名 /東京都中野区)
施設種別 児童発達支援施設・放課後等デイサービス
成果 保護者からの評判UP事務の省力化手書き業務の削減保育・教育の質向上
この事例の要約
東京都中野区の「重症児デイ Patto Potto」は、2024年に設立したばかりの多機能型の重症児デイサービス(児童発達支援・放課後等デイサービス)です。子どもたちの医療的ケアや生活支援を日常的に行う現場で、設立と同時にICT「コドモン」を選んだ理由はどこにあったのでしょうか。代表の菊池隆寛さまに、コドモン導入の背景についてお聞きしました。
私たちが運営する「重症児デイ Patto Potto」は、重度の身体障害、知的障害を併せ持つ0~18歳の重症心身障がい児を対象とした通所型デイサービスです。2024年6月に開設したばかりですが、立ち上げと同時にコドモンを導入しました。理由は大きく2つあります。
ひとつは、私には2025年の夏に11歳で亡くなった重症心身障害児の息子がいましたが、その息子をサポートしてくれた看護師さんが3年前に設立した施設でコドモンを使っていたことです。もうひとつは、私が以前正社員として勤務し、今は顧問をしている会社でも同じくコドモンを活用していたことです。
その上で最終的に決め手となったのは、コドモンが「障がい児以外を対象とした保育施設でも使われているICTツール」であった点です。
障がいを持つ幼い子どもを育てる保護者の中には、「障がい児専用」と打ち出されたサービスを使うことに抵抗感を抱く方々もいます。私自身も息子が幼いころは「定型発達の子と同じ学級に進んでくれたら」と願っていましたから、その気持ちは理解できます。また、私は昨年に社会福祉士の資格を取得したのですが、そのときに「障害をどう受容していくか」というプロセスについて学び、障害の受容には時間がかかることをあらためて実感しました。
施設の職員はもちろん、保護者の方も利用するICTツールだからこそ、「普通の保育園」でも使われているツールのほうが望ましい。障がい児施設専用のICTツールがあることも知っていましたが、Patto Pottoの施設としては障害を前面に打ち出さないことを決めていましたし、きょうだいが健常児というご家庭もあります。ポップで親しみやすいデザインも含めて、コドモンがマッチしたのが大きな理由です。
開設前にいろいろな施設を見学させてもらいましたが、どこも「連絡帳」には苦労していることがわかりました。保育園のように在園時間が長くない重症児デイケアですから、スタッフが利用者である子どもをサポートしながら短時間で紙に記録するのが本当に大変そうでしたね。さらに、障がい児施設ですからバイタルや服薬情報など伝達事項も多い。職員と保護者、双方の負担軽減のために、連絡帳のデジタル化はマストだと早々に感じました。
基本的には、ほぼすべての機能を使っています。送迎バスの位置情報、職員の出退勤、利用者であるお子さんの入退室、保護者と施設でやり取りする連絡帳、バイタルや成長記録など、全方位でコドモンを活用しています。このあたりはおそらく、普通の保育園と同じ使い方ではないでしょうか。
わかりやすい例として挙げるならば、「入退室(登降園)管理」です。お子さんが入退室するときは職員が持つタブレットにコドモンの画面を表示して、子ども本人に「ピンポン」とタッチしてもらいます。私たちのデイケアは5〜7名程度の少人数制なので全員が押せる時間的余裕がありますし、何より子どもたちがゲーム感覚で楽しんでくれるのがいいですね。指が動かしにくいお子さんでも、スタッフがサポートしながら「最後の一押し」を本人にしてもらうことで達成感が得られるようにしています。保護者に入退室のお知らせが届くことも安心感につながっています。

(実際の入退室の様子)
一方、重症児デイケアならではの活用法としては、児童にどのような支援を提供するかを記載する個別支援計画書やリハビリ計画などの記載にもコドモンを役立てています。特に個別支援計画は公的書類であるため、東京都や厚労省の指定フォーマットがあるのですが、それをExcelで縦型につくり直してコドモンで共有しています。個別支援計画は半年ごとに更新していく必要があるため、支援が適切かどうかの見直しがスムーズにできるのは大いに助かっています。他にも、リハビリ計画や安全対策なども資料室で共有できるのが便利ですね。
看護師、作業療法士、理学療法士などの医療業界から転職してきた職員は、近いシステムに慣れていたためか、割とすぐに使いこなせるようになっていましたね。一方で、パソコン未経験という職員は、最初のうちはやはり苦労していました。
ただ、実際にさわってみると実感するのですが、画面の見た目も操作もわかりやすく非常によくできているんですね。必要がない機能は随時、非表示にできるなど、細かいところまで配慮が行き届いているのを感じました。それでいて、コドモンがいいなと感じる最大のポイントは「壊れそうにない安心感」なんですね。「ここをさわったら何か壊しちゃうかも?」というパソコンが苦手な人が抱きがちな恐怖を、極力感じさせない工夫を凝らした設計が素晴らしいと感じています。
権限管理がしっかりできる点も秀逸です。重症児支援の現場では職種ごとに役割が違うため、「閲覧のみ」「編集可」などの権限の区分けが非常に重要です。そこが柔軟にできる仕様であることが使い勝手のよさにもつながっています。
保護者の方々も職員と同じで、反応は人それぞれですね。「保育園に通うきょうだいもコドモンを使っているので慣れていて助かるし切り替えが楽です!」というご家庭もあれば、「機能が多くてちょっとわかりづらい」という声を受けることもあります。そのあたりの難しさをクリアしてもらうために、最初に対面で施設にお越しいただいた際には、必ずその場でコドモンの登録と説明を丁寧にすることは心がけています。
圧倒的に好評なのは送迎バスの位置情報です。「小学校を出た後に、ちゃんとPatto Pottoに到着しているかが一目で確認できて安心です」と言ってくださる保護者は多いですし、交通事情で到着が遅れそうなときは、スタッフが事前に各家庭に連絡するようにしています。やっぱり雨の日などは、お迎えのロスがないほうがいいですから。
率直に言ってコドモンは便利の一言に尽きます。重症児施設のニーズを一通りカバーしてくれていますし、サポートもスピーディーで手厚い。ITサービスである以上、どこかのタイミングでシステム障害が起きることは当然ありますが、そうしたトラブル時にもすぐに対応してくれる体制があることは、現場で働く私たちにとっては本当に心強いです。
実務的なことを付け加えると、国が支援してくれるIT導入補助金の対象にもなりますので、迷っているのであればぜひ一度試してみて損はないと思っています。

■施設情報
施設名:重症児デイ Patto Potto
住所:東京都中野区中野6-14-5