りぼんi保育園 (職員数30名/定員数50名 /兵庫県明石市)
施設種別 企業主導型保育園
成果 事務の省力化先生の残業削減手書き業務の削減先生間のコミュニケーション改善施設状況の見える化
この事例の要約
2024年11月の実証実験期間から保育者同士の業務連絡ツール「せんせいトーク」を活用されている、「りぼんi保育園」。導入される以前は連絡の漏れや確認不足など、園内での情報共有に課題があったそうです。「せんせいトーク」を取り入れたきっかけやその後の園内の変化について、園長の﨑嶋克治先生にお話を伺いました。
園内の連絡方法について悩んでいたところに、タイミングよく「せんせいトーク」のモニター利用の案内をいただいたのがきっかけです。それまでは先生方への情報共有にこれといった解決策が見つからなくて試行錯誤していました。
以前の業務連絡は、職員室に置いてある連絡用ノートと、プライベートで利用しているメッセージアプリの二つを使っていました。個人のメッセージアプリには園児の個人情報に関わる内容を送信できないため、重要事項は園に設置した連絡用ノートで共有していました。
当園は企業主導型保育園で土日祝も開園しているため、パート勤務の方や早番遅番の方も多く、連絡用ノートを全員が見るまでにはタイムラグが発生してしまいます。
それを補うため急を要することは、事務の担当者が休日でも園に出向いて口頭で伝えるということも発生していました。
またツールが複数あることによって、先生方の間でもどこの情報を見たらよいのかわからず、「聞いていない、知らない」といった情報格差が生まれていました。いわば「伝える側も大変、受け取る側も大変」という状況でした。
連絡方法を改善してほしいと言われたこともありました。先生の間でも個人のメッセージアプリでグループをつくって連絡したり、口頭でその場にいる人にだけ伝えたりしていて、コミュニケーションにもズレが発生していました。「私は連絡をもらっていない」といった声が常にあり、互いの不信感が膨らんで、人間関係がうまくいかない状況が5~6年続いていました。
すでにコドモンを運用している中で、新たに別のツールを入れると管理するものが増えることがネックでした。金銭的な面でも他の有料アプリを使うより「せんせいトーク」を導入するほうが新たな出費もなく安心でした。
加えて、プライベートのメッセージアプリで仕事の連絡をしなくてよくなるというのが、すごくよいなと思いました。
コドモンからもらった「せんせいトーク」の資料をもとに、メッセージアプリで連絡しました。メッセージアプリのグループは期限を決めて「この日に消します」と案内し、みなさんスムーズに移行してくれました。
最初は「使ってもらえるかな」と不安もあったのですが、一般的なメッセージアプリと同様の使いやすさがあり、先生方がすぐに使い始めてくれました。プライベートのメッセージアプリとは別なので、仕事としてきちんと返答や確認をしてくれているなと思います。
以前は長引いていた園全体の月一会議ですが、先生方が「せんせいトーク」で事前に案を取りまとめてくれるため、時間内に終わるようになりました。
新たに入職される先生に個人のメッセージアプリを聞く必要がなくなったので、連絡開始のハードルがなくなったこともよかったですね。
なにより、事務の担当者が重要事項を口頭で伝えるために園に出向く時間がなくなったので、1日最大で2時間くらい、月に換算すると40時間程度の業務短縮が実現できました。
正直、ここまで楽になると思わなかったですね。「せんせいトーク」は特に職員への連絡を担っている園長先生や事務担当がすごく楽になるツールだと思います。
園としては関係者にリアルタイムで発信できるようになったことで、連絡の漏れを防ぐ労力が減りました。
「せんせいトーク」内で先生方が気軽に相談しあえるようになって、人間関係の部分でも園内の雰囲気がよくなったと感じています。
それから他のクラスの状況を先生方が把握できるようになったことで、先生方の目線や意識が「自分のクラスしかわからない」という状況から園全体へと変わった印象があります。
園で使用しているタブレット端末やパソコンの中にアプリを入れて使っています。職員からは、保育中でも連絡や確認ができるのがとてもよいと聞いています。また、各職員は個人のスマホにもアプリを入れており、必要に応じて勤務時間外でも連絡が取れる体制になっています。
掲示板は既読がつくので、必ず伝えたい大切な情報を掲載するのに使っています。例えば人事異動のお知らせや事故報告の共有、シフトの発信、施設訪問や監査の結果などです。
掲示板には事前に事務の担当者に内容を確認してから載せるというフローにしていて、リーダーの先生などが書き込んでくれています。
園では「全体発信」と「シフト関連」のグループを設定しています。
全体発信は調理の正社員の先生も含めた園に関わる全員への連絡のために使っています。シフト関連は保育を担当する人のみで、欠勤やシフトの調整の連絡などを行っています。グループ上で、出勤が難しい職員がシフト変更を依頼する際、他の職員が「代われますよ」と助け合いながらスムーズに調整の連絡ができています。
他にも先生方から申し出があって「各クラスのグループ」「担任の先生のグループ」「行事やイベントの話し合いグループ」があります。
クラスのグループでは、園児の心身の状況をパート勤務やサブの先生も含めて共有しています。以前は連絡用ノートでしか伝達できなかったので、勤務時間外に連絡用ノートを確認するためだけに園にくる先生もいたり、ノートを読むために15分前に出勤する必要があったのですが、その時間を削減することができました。
また、先生方から「うちのクラスはこんなことします」と自ら発信してくれるようになって、お互いの仕事が見えるようになりました。
行事やイベントの話し合いグループでは、イベントの内容の相談や保護者への連絡の文面確認などを先生方が自発的に行ってくれています。
以前はイベント内容をリーダーの先生が決めて他の先生は従うスタイルだったのですが、「せんせいトーク」ができたことでアプリ内で話し合いが生まれて担任だけでなくサブの先生までが積極的に関わってくれるようになりました。
▲「せんせいトーク」掲示板での情報共有の様子
▲「せんせいトーク」シフト関連のグループ内の会話
園の中で「私は聞いていない」「私はメンバーに入れてもらえてない」といった声がなくなったのがとても大きいです。園長としても全体発信が気軽に行えるようになって、情報が全員に行き届いているなと実感しています。
コドモン自体導入して便利だと思っていたのですが、そのなかでも「せんせいトーク」は一番使えるツールだと思います。他の保育ICTにはないですし、一般的なメッセージアプリと使い方が同じで使いやすいです。
実際に使っていて、「せんせいトーク」は園や職員の仕事を円滑に後押ししてくれているなと感じています。他園の方もまずは一度使ってみることをお勧めしたいです。