幼稚園・認定こども園・保育園

園バスの
安全運行に向けて

国の指針やガイドラインに基づいた
安全管理と運用例をご紹介します

事故をもう二度と起こさないために、
私たち大人ができること

痛ましい園バスの事故を受け、現在、各省庁でさかんに子どもたちの安全を守っていくための議論がなされています。
安全装置の設置義務化など具体策の検討が進む中、弊社にも安全管理の体制づくりに向けて多くのご相談をお寄せいただいている状況です。弊社としましても、子どもを取り巻く環境の安全向上および先生たちの負担軽減において何かできないかと考え、政府の動向やICTを活用した安全管理の運用実例について情報提供をはじめております。順次情報を更新してまいりますので、現場での安全確認や意識向上にぜひお役立ていただければ幸いです。

01

安全ガイドラインについて

2022年9月に発生したこども施設の送迎バスにおける大変痛ましい事故を受け、政府からは、送迎バスの安全対策の強化、安全装置改修支援など、再発防止に向けた緊急対応策をとりまとめるよう関係府省に対して指示が出されました。
その後、バスへの安全装置設置の義務化が決定され、2022年12月20日「送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置のガイドライン」が国土交通省により策定されました。現在、そのガイドラインによって定められた要件を満たす安全装置のリスト公表等の準備が進められています。
なお、安全装置の義務化は2023年4月からで、1年間の猶予期間が設けられ、その間は代替手段として点検表などが認められます。(2024年1月31日 関連資料リンク先更新)

2022年9月5日 事故発生
9月9日 「総理指示事項」開示
9月29日 「緊急対策とりまとめに当たっての基本方針」開示(こども政策担当大臣指示)
10月12日
  • 「緊急対策の推進に際して留意すべき方針」開示(こども政策担当大臣指示)
  • 「こどものバス送迎・安全徹底プラン 〜バス送迎に当たっての安全管理の徹底に関する(内閣官房・内閣府・⽂部科学省・厚⽣労働省・国⼟交通省・警察庁)
12月20日 送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置のガイドライン(送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置の仕様に関するガイドラインを検討するワーキンググループ)
2023年1月〜 公益財団法人日本自動車輸送技術協会による装置のガイドライン適合確認開始
内閣府によるガイドライン適合装置リスト作成・公開

関連資料をご確認いただけます

  • 【送迎用バスの安全対策】

    (こども家庭庁)
    バス送迎に当たっての安全管理の徹底に関する緊急対策についての資料、安全管理マニュアル等が確認できます。

    リンク
  • 【ワーキンググループの進め方】

    (国土交通省 自動車局)
    静岡県牧之原市の事故状況を踏まえ、安全装置設置に関するガイドライン作成のための資料を公開しています。

    PDF
  • 【送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置のガイドラインの対象となる装置】

    ガイドラインで定められた「降車時確認式」「自動検知式」の2種類の装置の主な要件が図解にてまとめられており、ガイドラインの概要を捉えられます。

    PDF
  • 【送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置のリストについて】

    (こども家庭庁)
    各メーカーからの申請に基づき、ガイドラインへの適合が確認された製品を確認できます。

    リンク
  • 【調査研究報告書】

    (こども家庭庁)
    「教育・保育施設における事故に至らなかった事例の収集・共有等に関する調査研究」をはじめ、内閣府が実施した調査研究の資料が確認できます。「こどもの所在や行動を把握できなくなった事例」を集めたヒヤリ・ハット事例集も。

    リンク

02

安全装置の実証実験について

弊社では、実際に園バスへ安全装置を設置して行った実証実験への協力を行いました。実験後、発表されたガイドラインに沿って使用した機材に故障検知機能を追加実装しました。これによって運行前点検により装置が正常に動いているかどうかがわかるようになり、より安全性が高まりました。(2023年4月17日更新)

実証実験での主な確認項目

  • 安全装置の取り付け難易度はどの程度か
  • 品質に問題がないか
  • ガソリンスタンド等で想定外の動作をしないか
  • 音量は適切か
  • 大型・中型・小型バス、いずれも問題なく運用
    できるか
  • 装置が作動しない場合の
    代替案について
  • 正常に動作しているかの検知(故障検知機能)

【送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置の性能認定及び評価等の実施要領】

安全装置に求められる機能の要件が確認できます。

PDF

実証実験 使用機材

置き去り防止の最優先事項 チャイルドチェックメイトシステム 販売元 : 株式会社MJ

実証実験での調査に加え、
「故障検知機能」が追加された結果、
使用機材は
「チャイルドチェックメイト」として
ガイドライン適合装置に認定されました。

チャイルドチェックメイトパンフレット
はこちら

03

安全管理における意識向上に向けて

日々の安全管理において、警報機器や安全装置はあくまで補助ツールです。
事故防止においては、職員同士が意識を高め合いながら安全な運用が徹底されていることが重要です。

日々の安全管理の意識向上や
事故防止活動の一環として、
ステッカーを無料配布しています。
送付を希望される場合はお問い合わせください。

ステッカーは運転の妨げにならない場所に貼付をお願いします。

園バスの運行および園内の安全管理(株式会社アイギス 代表取締役 脇 貴志 提供)

  • 「こどものバス送迎・安全徹底プラン」が進行中
  • バス以外の安全対策はどうするの?
  • 「動静把握義務の履行」をすること
株式会社アイギス 代表取締役 脇 貴志

保育施設で実際に起きた死亡事故や重大事故に関する対応、保育施設の第三者委員や法人のコンサルティング業務を行う。危機管理・危機対応、リスクマネジメントに関する研修を行政や社会福祉法人、学校法人や株式会社からの依頼で、年間約200本講演。その他、全国の保育施設からの相談を年間約1,000件受ける。著書『事例で見る園の防災・危機管理』(フレーベル館)など多数。
ホームページはこちら

04

ICTを活用した安全管理の運用実例

子どもたちの安全を守るために保育ICTシステムが活用されるケースも増えています。弊社ICTサービス「コドモン」のご利用施設に聞いたお声やバス運用のオペレーションについて、実例をご紹介します。

園バスの安全運行に関する課題と
園での工夫について
緊急アンケートを実施しました。

園バスの運行において、安全上、これまでにヒヤッとした場面はありましたか?
回答施設の約30%が園バスの運行でヒヤッとした場面を経験

回答施設の声

  • バス利用変更の申請があったが、日付を勘違いしていたり、朝と帰りの申請を間違えたりし、バスに乗せる予定だった子どもを乗せられなかったりした
  • 保護者からの変更連絡がバス発車直前だったため、確認できずに乗せてしまった
  • 保護者が園にお迎えに来た際、すでに該当園児はバスに乗車した後だった
園バスを安全に運行・管理するために工夫していることはありますか?

回答施設から寄せられた工夫の例

  • バスの運転手と同乗職員で利用人数のダブルチェック
  • 職員への安全指導
  • 定期的なマニュアルの見直し
  • バス添乗専用の職員を雇用
  • バス後部のスイッチを押して、職員室のランプを消す仕組みを作成して導入

あらためて、安全に園バスを運行・管理するためには、毎日の確認や職員の指導、マニュアルの見直しなどを定期的に行うことが重要である、ということがわかる結果となりました。

アンケート対象:コドモンバス管理サービスをご利用の施設 / 回答数:104件

園バスの運用に関する
オペレーション体制と徹底について

園バスの安全な運用について、オペレーション例を実際の施設のご利用状況や自治体のガイドライン「こどものバス送迎・安全徹底マニュアル」を元に作成しましたのでご紹介します。
子どもの人数確認や危険防止の確認など、安全管理に広くお役立ていただけるよう「どのタイミングで」「どう確認するか」を組み込んだ一連の手順をまとめています。
なお、当オペレーション例につきましては、国土交通省より年内に発表される見込みの安全装置のガイドラインのほか、さまざまな情報を収集しながら随時アップデートしてまいります。施設のみなさまにおかれましても、定期的に見直しを実施いただきますようお願いいたします。(更新日:2022年10月26日)

運用における注意点

  • 全職員で共通の認識をもつ

    バス運転手および乗車職員だけでなく、職員全員が子どもの送迎時の流れを共通認識として把握しておくことが大切です。運用については年度はじめや職員の入れ替わりがあった際などにその都度見直しを行い、安全管理を徹底するよう意識できているか確認しましょう。

  • ヒヤリ・ハットの報告・共有・再発防止をする

    「ヒヤリ・ハット」の事例から、「どういうときに見落としがちなのか」を認識することが、改めて安全に対する危機意識を高めることにつながります。事例の報告・共有を積極的に取り上げ、再発防止に取り組みましょう。

  • 安全装置を設置し安全管理を補助する

    政府による安全装置の義務付けが進められています。オペレーションを見直すとともに、安全装置の運用についてもご検討ください。その際、あくまで安全装置は補助ツールとし、職員全員が危険に気づき、対処できる体制を整えることが大切です。

ICTコドモンの利用施設の
園バス運用に関するオペレーション例

この4つのそれぞれの場面で、バスの利用状況や子どもの所在を確認するポイントを
つくることで漏れを防ぎます。

01予定の確認共有→02乗車→03降車→04登園

今回ご紹介するオペレーションは、コドモンを使うポイントを含めた手順の一例です。バスの台数やコースの種類、園児数、職員数など施設によって
それぞれですので、この例を参考に施設の運用にあわせたオペレーションをご検討ください。

01予定の確認共有 保護者は保護者アプリなどで出欠・バス利用有無の連絡をする。あらかじめ連絡の締め切り時間をきめ、保護者に周知しておきましょう。施設では保護者からの「欠席」や「バス利用無し」を確認し、乗車リストを作成する。バス登園グループを設定しておくと絞り込みがかんたんになります。運転手(バス乗車職員)にその日の乗車リストを共有する。バスでは、運転手(バス乗車職員)は、出発前に乗車リストの日付、人数を確認する。 02乗車 バスで乗車リストと照らし合わせながら子どもの顔を目視し1人ずつ確認し乗車させる(各バス停にて)ICカード、二次元バーコードを利用の場合、運転手(バス乗車職員)は園児からICカード、二次元バーコードを受け取る。登園予定園児がバス停にいなかった場合:登園予定となっている園児がバス停にいない場合、どのように対応をするのかは事前に決めておく。 03降車 バスで乗車リストと照らし合わせながら子どもの顔を目視し1人ずつ確認し降車させる。ICカード、二次元バーコードを利用の場合、運転手(バス乗車職員)は園児にICカード、二次元バーコードを手渡す。乗車リストの「乗車」「降車」のチェックがそろっているか、子どもの人数を運転手とバス乗車職員でWチェックする 04登園 施設で職員が園児個別で登園の打刻を行う。園児が打刻を行う場合は、職員が補助をすること。(ICカード、二次元バーコードを園児が持っている場合は、職員が預かり、打刻をしてください)保護者は、保護者アプリで登園打刻通知を確認する。一括打刻の場合は、保護者アプリへ通知がされないため、個別で打刻することが前提です。バスでは、運転手とバス乗車職員が車内に子どもが残っていないか、忘れ物がないか確認をする。運転手が清掃・消毒をする。施設でデイリーボードの状況と実態のチェックをする(朝の会)

本件に関してのお問い合わせは
下記の窓口へお願いいたします。

ict@codmon.co.jp