上山市子ども子育て課・市立しらさぎ保育園 (山形県上山市)
施設種別 自治体・公立施設
サービス 登降園管理保護者連絡帳票作成保育ドキュメンテーション
成果 保護者からの評判UP事務の省力化手書き業務の削減電話対応業務の削減保育・教育の質向上先生間のコミュニケーション改善施設状況の見える化
この事例の要約
令和3年にコドモンを導入した山形県上山市の公立認可保育園。膨大な事務作業の負担が大きく軽減されたことで職員同士のコミュニケーションが活発になり、保育の質向上につながっているそうです。なかでも保育ドキュメンテーションは保育の振り返りという側面はもちろん、保護者に安心を届けられていると実感されています。導入にたずさわった上山市子ども子育て課 大野さまと上山市立しらさぎ保育園の園長佐藤さまに導入の経緯と現在の活用についてお話を伺いました。
大野さま:上山市では人口減少が進行している一方で、保護者の就業率向上等により保育園の利用ニーズが増えています。加えて各保育園では、激甚化・頻発化している災害への対応などをしなくてはなりませんが、職員を増やそうと求人をかけても保育士が集まらない状況です。そのため、現場の業務量増加を根本から解消していく必要があると感じていました。
佐藤さま:ICTシステムの導入前、新型コロナウイルスが流行した直後は保育園が閉園していたこともあり、対応が特に大変でした。職員や園児がお休みのときはすべて電話で連絡をしていましたので……。
大野さま:ICTシステムを導入することで、こうした業務の負担を軽減して先生方の働き方改革を推進し、さらに子どもに深く関わる時間を増やすことができると考えていました。子どもに向き合う時間を増やし、より質の高い保育を提供する。そして、保育を子どもたちの健やかな成長につなげていきたいという思いがありました。
大野さま:導入検討にあたって、市立2園の職員と子ども子育て課の職員でプロジェクトチームを設置しました。県内ですでにICTシステムを導入している施設さまへ視察に行ったり、検討していた各社のプレゼンテーションを聞いたりして情報を集めました。その後、各サービスの比較をしたうえで、チームを中心に現場で働く職員の声を聞きながら検討を進めていきました。
4月は人事異動や新しい入園児の対応、クラス替えの対応があって業務が忙しくなることから年度の途中から始められるように進めてきました。
大野さま:ほかの地方公共団体でも当時一番多くの導入実績があり、そこに大きな信頼を感じたのが一番の決め手です。また、施設と保護者へのサポート体制も整っていると感じたのも理由の一つでした。プレゼンテーションでも気になる機能を丁寧に説明いただき、これなら業務がスムーズになると考え導入を決めました。
佐藤さま:現場で働く職員も最終的に一緒に判断をしてくれました。県主催の説明会や役場でのプレゼンテーションを見た中で、コドモンなら帳票の様式を職員のほうである程度自由に修正することができ、帳票管理における要望が叶えられる、というところが現場での一番のポイントでした。
佐藤さま:ICTって難しいのかな、本当に全員ができるのかな、と不安には思っていました。若い職員からパソコン操作が苦手な職員までいたので、現場からも不安の声は大きかったです。ただ、膨大な事務作業が軽減されると聞いていたので、食わず嫌いなところを克服して取り組んでいこう、と。みんなで保育の質を高めるという目的に向かって、心をひとつにしてやってきました。
全職員に説明を行うときには、クラス担任から始めて次に臨時職員と段階を踏みながら導入を進めていきました。今ではベテランの臨時職員もドキュメンテーションを作れるようになっています。
佐藤さま:事務作業にかかる時間が格段に短くなり、保育士同士が話す時間が取れて、リフレッシュにつながっているなと実感しています。今までは子どもたちをお昼寝させている間に、一人ひとりの連絡帳を手書きで書いたりクラスだよりを作っていたり。なので、保育から離れる時間があまりとれていませんでした。事務量が大きく減って、そのぶん職員室で子どもの様子を話す時間が増えた。これが保育士にとって一番大事だと思うんです。自分のクラスだけではなく、ほかのクラスの子にも目が向いているなって感じています。保育の質の向上という面でも、そういう時間が増えてよかったなと思います。
事務作業はパソコンやタブレットで完結できることが増えたので、ペーパーレスになってきているなと感じます。帳票管理機能を導入するにあたって、改めて今までの形式でいいのか?と様式を見直すきっかけにもなりました。なかには改正した帳票もあって、本当にいい機会になったと思います。
あとは、朝、早番の職員が欠席連絡などの電話対応をする時間も減りました。ほとんどアプリで保護者が連絡してくれるので、その時間で子どもの対応をしたり、保護者とお話したりできるようになっています。
佐藤さま:過去にはお便りが保護者まで渡っていない、というトラブルもありましたし、お休みの連絡も朝の時間だと電話がつながらないという問題もありました。なので、保護者はシステムの導入を好意的に受け入れてくださいました。
アプリで前の日や朝の早い時間帯でもお休みの連絡をくださったのを見ると、保護者の生活ペースを崩さず済むようになってよかったなと思います。
佐藤さま:はい。今まではホワイトボードに、「今日はお散歩に行きました」などの保育の内容や、「明日は〇〇を持ってきてください」といった連絡事項を書いていました。各クラスにホワイトボードがあるので、急いでお迎えにくる保護者も一度クラスまで行って、確認してこなければいけないという時間の負荷があったんです。今は保護者はアプリでいつでも確認できるようになりました。何より写真で保育の様子を見られるので、安心感につながっているんだなと保護者との会話の中で感じています。
佐藤さま:その日の活動を保護者に伝えるためというのもありますが、保育士があとから保育内容を振り返るためにも写真付きで記録しています。手書きの日誌だと文字しかないですが、そこに写真で子どもたちの実際の姿が入ってくるので、保育のねらいに沿った振り返りがしやすくなりました。
以前も写真は撮っていましたが、あくまで保護者に見せる用のもので保育を振り返るためのものではありませんでした。今は日々の何気ない保育の様子も撮り、ドキュメンテーションに使っています。ドキュメンテーションに載せているのは数枚ですが、「あ、いいな」と思う瞬間はたくさんあるので、実はもっといっぱい撮っているみたいです。
ドキュメンテーションを通じて、例えば雨の日にクラスの中でどういう保育をしたのかを他のクラスの担任も知ることができます。すごく勉強にもなるし、「今度そういうことやってみよう」という考えにもつながると思います。
佐藤さま:写真販売、園内連絡、シフト管理をコドモンで解決していきたいなと考えています。話し合いの中で「これ素晴らしい機能だね」「もっとここ使えるね」とたくさん意見が出てきているので、これからもいろいろな機能を活用していきたいと思っています。