小矢部市民生部・こども家庭課 (富山県小矢部市)
施設種別 自治体・公立施設
サービス 登降園管理請求管理保護者連絡帳票作成保育ドキュメンテーション午睡チェック
成果 保護者からの評判UP事務の省力化手書き業務の削減電話対応業務の削減
この事例の要約
保育所と認定こども園の全5園で同時にコドモンを導入した富山県小矢部市。コドモンのすべての機能を使えるパックプランを最大限に活用すべく、「とにかくまずやってみよう」と前向きな方針で利用を開始。わずか1年で全園で活用度が非常に高い状態になった経緯を、導入を進められたこども家庭課の荒田さまと現場の園長先生方(※)にうかがいました。
(※本文中では小矢部市での呼称、「所長先生」にて統一しています)
荒田さま:検討をはじめたのは令和2年度。新型コロナウイルスの関係で、消毒や換気など、これまで以上に現場の先生の業務負担が増えたことがきっかけです。ICT化することにより、少しでも現場の負担を減らす支援ができるのではないかということで検討を進めていきました。
ちょうど国からもICT活用の補助金が出ると聞いていたことも後押しになりました。
コドモンを選んだ理由としては、やはり実績の多さが大きいですね。富山県ではほかにもコドモンを導入している自治体が多くあります。導入前のリサーチの段階でも、ほかの自治体から「コドモンいいよ」と聞いていたので、安心感もありました。
とはいえ、現場の先生方にとって使いやすいことも大切ですから、現場の所長先生方にも見ていただき、帳票の操作のしやすさでもコドモンがいいね…と最終的には現場の意見も一致しました。
所長先生:登降園管理で保護者に登園と降園の通知が届き時間がわかることや、欠席のご連絡をいただくときに理由を選択できるのもよかったです。なにより保育ドキュメンテーションですね。写真があってわかりやすく、子どもの様子を伝えられるのがすごくいいなと思いました。
荒田さま:これまで園児台帳などはすべて紙で管理していましたので、その引継ぎ……データをどのように移行していくのだろうかという点は心配していました。しかし、蓋を開けてみると、Excelに児童の情報を入れていくだけでカンタンにシステムに取り込めて、こども家庭課としてはなんの苦労もなく進められました。
ただ、現場の先生方のなかには電子機器の操作に不慣れな方もいらっしゃるので、その点は心配でした。
所長先生:私自身、ICT機器に疎いひとりです。ですのでもしうまく打刻ができなかったらどうしたらいいんだろうという不安はありましたし、はじめて打刻に失敗したときは焦りましたが、今はすぐに解決できるようになりました。
打刻をしておくと、クラス担任の先生が自分のクラスの出欠席の状況を見られますし、ほかのクラスの状況もわかります。また、管理者としては、これまで手書きの登降園記録から手書きの日誌名簿をつくっていたのが、データを出力するだけでよくなりラクになりました。
荒田さま:所長先生向けにコドモンに実際にふれてみる講習会をし、現場の先生方向けにオンラインで説明会を2回実施しました。説明会ではコドモンの方にお話しいただきました。運用を開始してからは、困ったことがあれば職員のみなさんから直接すぐにコドモンのサポートセンターに電話して解決できたのがよかったと聞いています。
所長先生:サポートセンターにお電話すると、その場ですぐにわからないことは、どんなささいなことであっても「後日ご連絡します」と持ち帰って確認し、必ずご連絡をくださいます。その場かぎりでない対応で、信頼しています。
園児台帳で園児が重複していたことがあったのですが、なぜ重複しているのか、どこにミスがあったのかどれだけ探してもわからずに問い合わせたときも、いろいろ調べてくださって問題点を見つけて、修正方法を教えてくれました。
所長先生:コロナ禍では、登園自粛の要請や休園のご連絡など全体への一斉配信だけでなく個人宛にもお知らせを配信できたのでとても助かりました。既読がついて、保護者にご確認・ご理解いただけたことをこちらで確認できたのもよかったです。
保護者からは「すべてがタイムリーでいいですね!」と言っていただきました。
荒田さま:令和3年の4月から本格運用を開始したく、2か月前の1月くらいから試験運用をしていました。そのときに、保護者にも「4月から保育ドキュメンテーションもやります」とご案内していました。せっかくすべての機能を使えるプランなんだから、使えるものは使おう!まずやってみよう!という方針で決めました。
所長先生:はじめた当初は、得意な先生とこれまでこうした機器の操作を覚えるチャンスがなかった先生で差がありましたね。得意な先生は頻繁にドキュメンテーションも作れますが、なかなかそこまでいかない先生もいます。ですので、できるだけさわってもらう機会をつくるようにしました。
また、先生たちの操作の得手不得手だけでなく、0歳児と以上児では活動にも差があります。活動や行事が多い以上児は週1回以上の配信になる。しかし個別重視の保育をしている0歳児では出すことがない週も…となると、配信頻度を自由にしているとバラつきが出てしまいます。特別な活動や大きな動きがなくとも保護者はきっと待ってくださっていると考え、「配信頻度は週1回以上」と決めて、園やクラスでのバラつきを抑えられるようにしました。
また、連絡帳もコドモンを使っているので、ドキュメンテーションを送っている日にたまたまお休みが続いている子には、連絡帳で個別で写真をお送りしたりしています。
所長先生:保護者さんからは、写真がたくさんあっていいとお声をいただいています。特に送り迎えができない保護者さんからは、これまで園の様子がほとんどわからなかったのが、すごく身近に感じるようになったと言っていただけて、保育ドキュメンテーションをはじめてよかったと感じました。
荒田さま:活用が広がったのは、園のみなさんからの働きかけのおかげです。先生方には、コドモンに慣れるためにとにかくさわってもらうこと、使ってもらうことを意識していただいています。偶然のクリックで意図していたのとは違う画面が出てきたときによさそうだと感じたら、園のほうから「こういう機能あるんですけどどうですか?」と提案していただいています。
その機能について、こちらで使い方を調べて全体へ使っていただくようにお伝えすると、そのあとさらに所長会議でこの機能をこういうふうに運用していこうとお話しくださっていました。
所長先生:施設からの提案のなかには、もとは保護者からご提案いただいたものもあります。近隣のほかの市町村にお勤めの保護者さんが、そこで職場の方とお話しされているなかで、コドモンの機能や使い方の情報を聞いて教えてくださるんです。
献立表などを入れている「資料室」の開設は、保護者さんから教えていただいたことがきっかけだったと記憶しています。
荒田さま:ICT化にあたっては、業務負担軽減ともうひとつ、紙の削減も目標にしていました。保護者に渡すおたよりや献立表を「お知らせ一斉配信」や「資料室」に移行したことにより、紙の印刷も大幅に減っています。
現場の先生も、省力化と紙の削減、どちらも実感されているのではないでしょうか。
所長先生:印刷物はとても減っていますし、現場からも、「家庭との連絡のやりとりがしやすい。紙と違っておたよりの渡し忘れがなくて便利」という声があがっています。
アンケートも活用しており、保育参観の希望日や個別懇談の日程調整などに使っています。紙も不要ですし、回収時間が減ったことも助かっています。
園児情報の管理も、紙ベースで印刷して手書きで記入してそれぞれファイルを作って保管していた手間がなくなりました。コドモンの園児台帳にすべて集約され見やすいですし、身体測定も一括管理できています。
荒田さま:帳票の面では、自治体側も非常にメリットを感じています。コドモンの導入は、それまでの帳票を見直すいい機会になりました。メインの帳票はコドモンの様式を使い、ないものはオリジナル帳票として作成し、カバーできるようになりました。これにより、年に一度行われている富山県の指導監査では、「コドモンに入っています」とお見せすればそれでOKになりました。これまでは帳票を紙で出していましたので、業務負担軽減にも紙の削減にもなっています。
所長先生:請求管理が登降園管理と連携していることで、延長の利用などが反映されていて、領収書や納品書などもそのまま出力できるという点は、担当の先生がとても喜んでいました。
それから、保護者からのお休みの連絡や朝の電話が減ったことや体調不良のご連絡などが前の夜から入っていて全職員でそれを正しく共有できるようになったことは改めて、すごくいい効果だったと実感しています。
荒田さま:ゆくゆくは給食もコドモンに一本化したいと考え、テスト利用をはじめています。コドモンを使うと、給食の献立に使われている材料や栄養素も保護者アプリに表示されるということで、さらに保育の様子を保護者にお伝えできると思っています。
また、ここまで活用できているのは、ひとえに先生方の努力の賜物だと思っています。これからも先生たちと一緒に手を取り合って進めていきたいです。