【調査レポート】保育施設のICT、日常業務で「自然に定着」は44.4%|定着した園に共通する「推進体制」と「3つの仕組み」とは

調査レポート

株式会社コドモンは、保育・教育施設を対象に「保育現場におけるICT活用状況と令和8年度ICT活用推進加算」に関するアンケートを実施しました。調査の結果、「日常業務の中で活用が自然に定着している」施設は44.4%。ICTが自然に定着している施設では「チーム体制で推進」「目的の共有」「時間の確保」「マニュアル整備」が共通して実施されていることがわかりました。
本調査では、ICTの導入から定着に至るにあたって、推進体制や定着状況にどのような差が生まれているのかを分析しています。

アンケート概要

・調査対象:コドモンを利用する全国の保育・教育施設職員
・調査方法:メール案内、Web回答方式
・調査期間:2026年4月2日(水)〜 2026年4月9日(水)
・回答数:261件
・調査会社:株式会社コドモン

アンケート結果サマリー

  • ICTが「自然に定着」は44.4%、「活用の途中にある」が41.8%と拮抗
  • 推進体制は「1人で担当」が35.6%でもっとも多い
  • 導入時の課題は「パソコン操作への不安・抵抗感へのフォロー」が60.5%で最多
  • 自然に定着している園では「チーム体制」「目的の共有」「時間確保」「マニュアル整備」の実施率が高い結果に
  • 推進加算は53.3%が「知らなかった」、自治体手続きの認知は21.5%にとどまる
  • ICT活用責任者が「未定」の施設は定着園も含め41.2%に

アンケート結果

保育施設の業務でICTはどこまで浸透?| ICT活用は約4割が「自然に定着」、同じく4割の施設が「活用の途中にある」と回答

Q1 貴園でのICT活用度合いについて教えてください


ICTの活用度合いについては「日常業務の中で活用が自然に定着している」が44.4%でもっとも多い一方、「複数の業務で活用できているが、まだ使いこなせていない部分もある」も41.8%とほぼ同水準となりました。
「導入はしたが活用は一部にとどまっている」(11.9%)を含めると、半数以上の施設が活用途上の段階にあることがわかります 。

ICT推進の担い手は「施設長・園長」が中心 |主任以上の役職者が推進役を担う傾向

Q2 現在、園内でICT運用を中心になって推進しているのはどなたですか?

ICT運用の中心は「施設長・園長・副園長」が42.5%ともっとも多く、次いで「主任・副主任」(25.3%)、「事務員」(10.0%)が続きました。
管理職層に推進の役割が集中している傾向が見られる一方で、「中心となる人がいない」という回答も4.6%あり、推進体制が明確でない施設も一定数存在しています。
また、導入初期から現在まで同じ人物が推進を担っているケースも一定数見られました。導入当初からリーダー層が中心となり、そのまま現在の体制につながっている可能性がうかがえます。

保育施設のICT推進体制は「1人で担当」が3割を越えて最多に

Q3 どのような「体制」で動いていましたか?


「推進担当者がほぼ1人で設定や準備を行った」が35.6%でもっとも多く、推進が個人に依存するケースが目立ちました。
「チーム体制で進めた」という回答も2割を超える(22.2%)ものの、「リーダー・主任中心で連携」(20.3%)という回答からも、推進役としてリーダーシップをとる人が必要である構造がうかがえます。

推進担当者の役割は多岐にわたり、負担の大きさが浮き彫りに

Q4 その推進担当者が具体的に担った役割は何ですか?(複数選択可)

もっとも多かったのは「職員向けの操作説明や個別フォロー」(72.8%)でした。
続いて「初期設定などの作業」(58.6%)、「導入計画や進行管理」(55.6%)が挙げられています。
複数の役割を少人数で担っている実態から、担当者への負担の大きさが見てとれます。

導入時の最大の課題は「パソコン操作への不安・抵抗感への対応」

Q5 導入時、特に「苦労したこと」はどのような点ですか?(複数選択可)


ICT導入の際に苦労した点については、「パソコン操作が苦手な先生方の不安や抵抗感へのフォロー」が60.5%と突出しました。
「操作を覚える時間が取れなかった」(23.4%)、「特定の人に負担が偏った」(23.4%)も上位に挙がっており、「人への対応」と「時間不足」が大きな課題となっています。

導入を乗り越えた工夫は「段階的導入」と「人材の巻き込み」

Q6 導入時の壁をどのように乗り越えましたか? または、スムーズに進めるために「やってよかった工夫」があれば教えてください。(複数選択可)


「一度にすべて導入せず、少しずつ進めた」(52.9%)がもっとも多く、次いで「得意な先生にリードしてもらった」(44.4%)、「サポートを活用した」(34.5%)が続きました。
段階的に進めながら、周囲を巻き込む進め方が広く実践されていることがわかります 。

ICT活用が「自然に定着した園」と「活用の途中にある園」を分けたもの

ICTを導入したのち、活用が定着した園とそうでない園との差について、Q1の回答をもとに「自然に定着した園」(日常業務の中で活用が自然に定着:116施設)と「活用の途中にある園」(それ以外:145施設)に分け、各設問との関係を分析しました。

「チーム体制」で進めた施設ほどICTが定着

推進体制(Q4)を見ると、「チーム体制」で進めた割合は自然に定着した園で28.4%に対し、活用の途中にある園は17.2%にとどまりました。
一方、「1人で推進」は途中にある園が40.0%と高く、体制の違いがICTの定着度に影響していることがうかがえます。

ICTが自然に定着した園の「3つの仕組み」

導入時の工夫(Q7)を比較すると、「段階的に少しずつ進めた」「得意な先生にリードしてもらった」は、いずれも40〜50%台で大きな差は見られませんでした。
これらは多くの施設でICT導入の「前提」として実施されている取り組みであると考えられます。
一方で、自然に定着している園と活用の途中にある園の間で差が見られたのは、以下の3つの仕組みです。

「導入の目的やメリットを先生方に説明した」
自然に定着した園で41.4%、活用の途中にある園で24.8%と、16.6ポイントの差が見られました。
さらに活用度合い別に見ると、自然に定着した園41.4%→活用の途中にある園27.5%→一部のみ活用16.7%と、段階的な差があり、説明の有無が活用度に影響していることがうかがえます。
「操作を覚える「事務時間」を意図的に確保した」
自然に定着した園の23.3%に対し、活用の途中にある園は12.4%と、10.9ポイントの差がありました。
活用の途中にある園で多く挙げられた「操作を覚える時間が取れない」という課題とも一致しており、時間を確保できるかどうかがICTの定着に影響している可能性が考えられます。
「園独自の簡単なマニュアルや手順書をつくった」
自然に定着した園25.0%、活用の途中にある園19.3%と、差は5.7ポイントでした。
活用の途中にある園で「使い方がバラバラになった」という課題が多くあげられていることからも、マニュアル整備が運用の統一と定着につながっていると考えられます。

活用の途中にある園では「時間不足」と「負担の偏り」が深刻か

導入時の苦労(Q6)について、「パソコン操作が苦手な先生のフォロー」はどちらも約60%で同水準でした。差がついたのは「操作を覚える時間が取れなかった」(活用の途中にある園:31.0%に対し、自然に定着した園:13.8%)と「特定の人に負担が偏った」(活用の途中にある園:27.6%に対し、自然に定着した園:18.1%)です。
一方で「特に苦労なし」は自然に定着した園15.5%に対し活用の途中にある園7.6%と、体制の差がICT導入における苦労の大きさに直結していることが読みとれます。

推進加算は「知らなかった」が半数以上

Q7 この「ICT活用推進加算」および「責任者の配置」が必須要件となることをご存じでしたか?


「知らなかった」が53.3%ともっとも多く、過半数の施設で制度自体の認知が進んでいない結果となりました。「加算があることは知っているが、内容までは知らない」(33.0%)を合わせると、内容まで理解している施設は13.8%にとどまります。
ICT活用の重要性が高まる一方で、制度についての情報が現場まで十分に届いていない状況がうかがえます。

自治体手続きの認知は約2割にとどまる

Q8 加算を受けるには、まず「自治体側の手続きが必要」なことをご存じでしたか?


自治体の手続きについては「知らなかった(条件を把握できていなかった)」が62.5%ともっとも多い結果となりました。
さらに「園の判断だけで申請できると思っていた」(16.1%)も一定数見られ、制度の前提となる手続きについても十分に理解されていない実態が明らかになりました。

推進加算に「期待している」が約6割

Q9 園のICT活用や先生方の働き方改革をさらに進める上で、この「推進加算」にどの程度期待していますか?


「非常に期待している」(24.9%)と「期待している」(35.6%)を合わせると、60.5%と約6割の施設が前向きに期待を示す結果となりました。
一方で、「わからない」(20.7%)も一定数あり、制度の理解不足が判断を保留する要因となっている可能性が考えられます。

自治体の対応状況は「わからない」が大多数

Q10 貴園のある自治体では、この加算に対応する予定があるかご存知ですか?


「まだわからない(または確認していない)」が87.0%と大多数を占めました。
「すでに対応すると聞いている」は10.7%にとどまり、自治体側の方針が見えていない状況が、施設側の準備の進みにくさにつながっていると考えられます。

約8割が自治体による対応を「進めてほしい」

Q11 自治体に加算への対応を進めてほしいと思いますか?


「ぜひ進めてほしい」(56.3%)と「できれば進めてほしい」(21.8%)を合わせると、78.1%と約8割が自治体の対応を求めていることがわかりました。
現場の期待は高いものの、自治体側の準備が追いついていないギャップが見られます。

今年度のICT活用責任者は「決まっていない」が半数以上

Q12 令和8年度に向けて「ICT活用責任者」はどなたが担う予定ですか?


「導入時から中心になってくれた先生にお願いする」(41.6%)と「まだ何も決まっていない」(41.2%)がほぼ同数で拮抗しました。
責任者の選定が進んでいる施設と、未定のままの施設が二極化している状況がうかがえます 。

ICT推進担当者・責任者の支援に必要なのは「時間の確保」が最多の66%

Q13 責任者をサポートするために、もっとも必要だと思う支援は何ですか?(複数選択)


「事務作業に集中できる時間を確保すること」が66.3%でもっとも多い結果となりました。
次いで「サポート窓口にすぐ相談できること」(47.1%)、「制度の解説や他園事例を知る機会」(32.2%)、「見合う手当をつけること」(31.0%)が続きます。
推進を担う人材に対して、時間や情報など支援体制の整備が求められていることがわかります。

まとめ

本調査では、ICT活用が進む一方で、「自然に定着した園」と「活用の途中にある園」に分かれている現状が明らかになりました。 日常業務で「自然に定着」している施設は44.4%にとどまり、半数以上の施設がまだ活用の途中段階にあります。
また、ICTが自然に定着した施設では「チーム体制で推進」している傾向があること、そして推進を後押しする「3つの仕組み」が並行して機能していることが明らかになりました。
一方、令和8年度のICT活用推進加算については、制度認知や準備状況に課題が残る結果となりました。全体として、ICT活用の次の段階として「体制づくり」と「運用の仕組み化」が重要であることが示されています。
ICT活用をさらに進めるためには、担当者個人に頼るのではなく、「園全体で推進できる体制」、そして「目的の共有」「時間の確保」「マニュアル整備」の3つの仕組みが鍵となりそうです。まずはできるところから取り組んでいくのが一歩になるのではないでしょうか。

データの引用について

本調査結果データを一部引用・二次利用等される場合は、「株式会社コドモン調べ」と表記の上、リンクのご協力をお願いいたします。
リンク先:https://www.codmon.com/column/report_25/
その他ご不明点や調査に関する詳細は、下記よりお問い合わせください。

株式会社コドモンについて

株式会社コドモンは、「子どもを取り巻く環境をテクノロジーの力でよりよいものに」というミッションを掲げ、業界シェアNo.1(※)の保育・教育・療育施設向けICTサービス「CoDMON(コドモン)」 を提供しています。園児/児童情報と連動した成長記録や指導案のスマートな作成、登降園管理、保護者とのコミュニケーション支援機能などを通して、先生方の業務負担を省力化。これにより、こども施設で働く職員と保護者の方々が子どもたちと向き合うゆとりをもち、より質の高い保育ができる環境づくりを支援しています。

また、ICTによる支援だけでなく、保育施設向けECサービス「コドモンストア」、すべてのこども施設職員が利用可能な優待プログラム「せんせいプライム」、保育施設向けオンライン研修プラットフォーム「コドモンカレッジ」も展開しています。これらの多角的な取り組みを通じて、「子どもの育ちや学びを社会全体で支えられる世の中へ」というビジョンの実現を目指しています。

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株式会社コドモン 会社概要

◆所在地:東京都品川区西五反田八丁目4番13号 五反田JPビルディング10階
◆資本金:6,825万円
◆代表者:代表取締役CEO 小池 義則
◆設立:2018年11月
◆事業内容:保育・教育・療育施設向けICTサービス「コドモン」の運営、写真販売サービスの運営、決済代行サービス、採用支援・園児募集支援事業「ホイシル」、保育施設向けECサイト「コドモンストア」の運営、オンライン研修事業「コドモンカレッジ」、こども施設職員への福利厚生サービス「せんせいプライム」の運営等。
サービスサイト:https://www.codmon.com/
コーポレートサイト:https://www.codmon.co.jp/

お問い合わせ先

本件に関するお問い合わせは、下記までお願い申し上げます。
Mail: inquiry@codmon.com
Tel: 050-2018-3196(平日9:00-18:00)
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