【調査レポート】保育士の約7割が私用SNSの連絡先交換に抵抗感 時間外の連絡に「返信したくない」が4割超

調査レポート

株式会社コドモンは、保育・教育施設で働く職員を対象に「保育・教育施設における私用SNSの業務利用」に関するアンケートを実施いたしました。調査の結果、約9割の職員が個人のSNSアカウントで同僚とつながり業務連絡を行っている一方で、連絡先の交換時に約7割が抵抗感を抱いていたことがわかりました。「当たり前」として定着している私用SNSでの業務連絡に対して、職員が感じている本音と、現場の空気とのあいだにあるギャップが浮き彫りになっています。

アンケート概要

・調査対象:コドモンを利用する全国の保育・教育施設職員
・調査方法:メール案内、Web回答方式
・調査期間:2026年3月23日(月) 〜 2026年3月25日(水)
・回答数:311件
・調査会社:株式会社コドモン

アンケート結果サマリー

  • 約7割の施設で私用SNSの業務利用が推奨・容認されている
  • 約9割の職員が個人のSNSアカウントでつながっている
  • 連絡先を交換した際、約7割が抵抗感を抱いていた
  • 負担を伝えにくい背景には、「同調圧力」や「マイナス評価への不安」が潜んでいる
  • 時間外連絡がない施設では「ルールの明確化」と「仕組み化」が機能している
  • 業務時間外の連絡は「月1〜2回」(36.2%)がもっとも多い
  • 時間外連絡に対し回答者の5割が負担を感じ、「返信したくない」は41.9%という結果に

アンケート結果

保育施設の業務連絡手段は複数ツールが混在|私用SNS・紙が併用される実態

Q1 施設内の主な業務連絡ツールについて、当てはまるものをすべて選択してください。(複数回答可)


もっとも多かったのは「業務専用SNS・チャットツール」の45.2%ですが、「園が公式に指定した業務用ツール(保育ICTシステムの連絡機能など)」が37.4%、「私用SNSアカウント」が37.1%とほぼ同水準で続いており、いずれも3~4割台に集中しています。本設問は複数回答のため、業務専用ツールを導入している施設でも、私用SNSが併用されているケースが多いことがうかがえます。

保育士の約7割が自施設では「私用SNSの業務利用を容認・推奨している」と回答

Q2 私用SNSアカウントの業務利用について、施設の方針はどれに近いですか?


「明確に推奨されている」が40.6%、「暗黙的に容認されている」が29.7%となり、約7割の施設で私用SNSの業務利用が認められている結果となりました。
一方で、「禁止されている・使われていない」は17.1%にとどまり、多くの現場で私用SNSが業務連絡手段として定着している状況です。

保育士の約9割が個人のSNSアカウントで他の職員とつながっている

Q3 他の職員との私用SNSの「つながり方」について、もっとも近いものを選択してください。


私用SNSでのつながりについては、「個人トークや小グループで業務連絡」が47.4%でもっとも多く、「大人数グループのみ使用」(29.0%)が続きました。およそ9割の職員が個人のアカウントでつながっていることがわかります。

保育士同士の私用SNSでの連絡先交換時に約7割が抵抗感|私用SNSの連絡先共有への本音

Q4 前問のようなつながりを持つことになった(または交換した)当時の気持ちとして、もっとも近いものを教えてください。


連絡先を交換した当時の気持ちをたずねると、「やや抵抗があった(40.6%)」と「強く抵抗があった(26.6%)」を合わせ、約7割の職員が抵抗感を抱きながら私用SNSの連絡先を交換していたことが明らかになりました。

業務時間中の利用は月数回が中心、一部で日常的利用も

Q5 業務時間中の私用SNSを使った業務連絡の頻度を選択してください。


業務中の私用SNSの利用頻度は、「月1回未満」(28.0%)がもっとも多く、「業務時間中に連絡は来ない」(25.8%)と続きました。
一方で、「週1回以上」(14.0%)や「ほぼ毎日」(7.4%)という回答もあり、一部では日常的な連絡手段として活用されていることがわかります。

利用理由は「使い慣れている」「職場の指示」

Q6 <Q5で「月1〜2回程度」「週1回以上」「ほぼ毎日」と答えた方に質問です>業務時間中に私用SNSで業務連絡をとる主な理由は何ですか?


私用SNSを使う理由としては、「使い慣れた私用SNSの方が早い」が46.4%、次いで「上司・同僚から指定されている」(40.8%)、「緊急時の即時対応が必要」(26.4%)が続きました。利便性と職場の慣習が利用を後押ししている状況がうかがえます。

時間外連絡は「月1〜2回」以上が6割超え

Q7 業務時間外(休日・早朝または夜間)に、私用SNSで業務連絡が届く頻度を選択してください。


業務時間外(休日や夜間など)に私用SNSで連絡が届く頻度は「月1〜2回」が36.2%でもっとも多く、「月1回未満」(29.2%)が続きました。「週1回以上」(16.6%)や「ほぼ毎日」(6.6%)も一定数見られ、時間外連絡が日常的に発生している施設も存在します。

時間外連絡の内容はシフト連絡や保育準備などさまざま

Q8 <Q7で「月1〜2回」「週1回以上」「ほぼ毎日」と答えた方に質問です>業務時間外に私用SNSで業務連絡をとる主な理由はなんですか?


時間外に連絡をとる理由の第1位は「シフト・出勤連絡」(50.9%)でした。次いで「行事・保育準備」(41.6%)、「緊急対応」(40.4%)、「情報共有・申し送り」(37.3%)が続きます。
業務連絡の多くが時間外にも行われている実態が明らかになりました。

約半数が業務時間外の使用について上司に言及

Q9 「業務時間外の私用SNSへの連絡は困る」といった気持ちを園長や上司に伝えたことはありますか?


時間外連絡の負担について、園長や上司に「伝えたことがある」職員は47.2%と半数近くいることがわかりました。

負担を伝えにくい背景に「同調圧力」「マイナス評価への不安」など

Q10 <Q9で「まだ伝えていない」と答えた方に質問です>まだ伝えられていない理由としてあてはまるものを教えてください。


まだ伝えられていない理由としては、「周りの先生たちが当たり前のように対応していて、自分だけ言い出せる空気ではないから」(33.3%)が第1位でした 。さらに「『子どものため』『保護者のため』と言われると断りづらいから」(30.8%)、「マイナスな評価を受けるのが不安だから」(28.2%)といった声も目立ちます 。
職場の同調圧力や評価への懸念が、職員を沈黙させている状況がうかがえます。

時間外連絡がない施設は「ルール化」と「仕組み化」が特徴

Q11 <Q7で「業務時間外に連絡は来ない」と答えた方に質問です>現在、私用SNSでの時間外連絡がない理由として近いものはどれですか?


一方で、私用SNSでの時間外連絡がない施設もあります。その理由としてもっとも多かったのは「園のルールで厳格に禁止されているから」(41.9%)でした 。
また、「業務時間内にすべて完結する仕組みがあるから」(29.0%)という回答もあり、明確なルールの策定と仕組みづくりが、公私の分離につながることがわかります。

時間外連絡に約半数が負担を感じる結果に

Q12 業務時間外に私用SNSで業務連絡が届く場合、どの程度負担に感じますか?


私用SNSでの時間外連絡について、「やや負担である」(32.3%)、「非常に大きな負担である」(18.1%)を合わせ、50.4%が負担を感じている結果となりました。

就寝時や外出時の連絡に負担を感じる声

Q13 休日や夜間の「私用SNS」での連絡で、具体的に困ったことや「これは負担だな」と感じたエピソードがあれば、自由にご記入ください。

私用SNSの時間外連絡について、具体的な負担として「緊急性の低い連絡が夜間や早朝に送られてくる」「出勤時に伝えればよい内容への返信対応が求められる」といった声が挙がりました。
また、「外出中でも返信を求められる」「急な欠勤時に代替調整を自ら行う必要がある」など、業務時間外にも対応を求められる状況に負担を感じているケースも見られました。
連絡内容や運用ルールによって、職員の負担感が大きく左右されている実態がうかがえます。

【回答抜粋】

  • 「夜間や早朝などに、緊急でもないどうでもよい連絡を送ってくる人が何名かいること。寝ている時に送ってこられると目が覚めてしまう」
  • 「出勤した時に教えてくれればいいことを報告されて返事が面倒だった」
  • 「出かけている最中に返信しなければならないとき」
  • 「体調不良で急な休みが発生した時、自分で補填を段取りするよう園長から指示され、夜遅くに何人もの先生にLINEや電話をしなければいけなかったこと」

保育士の時間外連絡に対する本音は「返信したくない」が最多

Q14 業務時間外に私用SNSで業務連絡が来たとき、正直な気持ちとしてもっとも近いものはどれですか?


時間外に連絡が来た際の正直な気持ちとしては、「返信したくない」が41.9%でもっとも多い結果となりました。
一方で、「返信したい・苦にならない」は23.9%にとどまり、多くの職員が私用SNSの時間外対応に対して消極的な意識を持っていることが明らかになりました。

保育士の本音と行動にギャップ|不本意ながら時間外の業務連絡に対応する実態

Q15 業務時間外に私用SNSで業務連絡が来たとき、実際にはどう対応しますか? もっともあてはまるものを選択してください。


実際の対応としては、「不本意ながら返信対応」(30.6%)がもっとも多く、「通常通りの対応(特に気にしない)」(22.9%)を上回る結果となりました。
本音では負担に感じながらも対応せざるを得ない状況がうかがえます。

まとめ

本調査から、保育士・施設職員の間で私用SNSが業務連絡手段として広く利用されている一方で、時間外連絡や個人アカウントの利用に対して負担や抵抗感を抱える職員が多い実態が明らかになりました。
特に注目したいのは、抵抗感がありつつも「周囲が当たり前に対応しているから言い出せない」という声が多く聞かれた点です。同調圧力やマイナス評価への不安から、職員が本音を伝えられていない可能性があります。

時間外の私用SNS連絡がない施設に共通していたのは、「施設としてのルールの明確化」と「業務時間内に完結できる仕組みづくり」でした。

データの引用について
本調査結果データを一部引用・二次利用等される場合は、「株式会社コドモン調べ」と表記の上、リンクのご協力をお願いいたします。
リンク先:https://www.codmon.com/column/report_24/
その他ご不明点や調査に関する詳細は、下記よりお問い合わせください。

株式会社コドモン 会社概要
◆所在地:東京都品川区西五反田八丁目4番13号 五反田JPビルディング10階
◆資本金:68,250,000円
◆代表者:代表取締役 小池義則
◆WEB:https://www.codmon.co.jp/
◆事業内容:子どもを取り巻く環境をより良くするための事業を手掛け、働く人にとっても働きやすい組織づくりを体現。子育てに優しい社会に変わるよう多角的に環境整備を行い、社会に貢献する。
◎こども施設職員の労働環境を整え、保育・教育の質向上を支える子育てインフラとしての保育ICTシステム「コドモン」の開発・提供。2025年8月時点で、全国22,862施設、職員約44万人が利用。全国682の自治体で導入および実証実験の導入が決定。導入施設数・自治体導入施設数・契約自治体数でシェア1位※(2025年1月株式会社東京商工リサーチ調べ)。
◎保活中の保護者や求職者と保育・教育施設をつなげる採用・園児募集支援サービス「ホイシル(https://www.hoicil.com/ )」の提供。こども施設が簡単に施設の魅力を発信でき、地域の保護者や求職者、保育学生はより自分にあった園を探せる。その他、こども施設を対象とした専門のECサイト「コドモンストア(https://store.codmon.com/ )」、現場で働く保育者の資質や専門性向上を目的としたオンライン研修サービス「コドモンカレッジ(https://college.codmon.com/ )」、こども施設職員への福利厚生サービス「せんせいプライム(https://senseiprime.com/ )」などを展開。

お問い合わせ先
本件に関するお問い合わせは、下記までお願い申し上げます。
Mail: inquiry@codmon.com
Tel: 050-2018-3196(平日9:00-18:00)
※株式会社コドモン以外の販売元と契約されている施設は販売元までお問い合わせください。

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